インドネシア北スマトラ・トバコ地区は、高湿度の気候と火山性の豊かな土壌に恵まれ、深いコクを持つマンデリンを生み出す地域として知られています。

小規模農家が多く、家族単位での生産が中心で、チェリーの手収穫や選別が丹念に行われています。標高1,200〜1,500mの山岳地帯で育つ豆は、力強さと落ち着いた香りを併せ持ちます。

このロットは、インドネシア特有のウェットハルで精製されています。まだ湿った状態の表皮を脱穀し、再乾燥させる独自の工程により、深みのあるコクと大地を思わせる香りが生まれます。この製法は湿度の影響を受けやすく、経験豊かな生産者の技術が品質に直結します。

iZ Coffee Roaster は、マンデリンらしいコクを保ちながら、ビター感が丸く整うよう焙煎を調整しています。しっかりとしたボディがありつつ、飲み口は重くなりすぎず、香ばしさが心地よく続きます。

温度が高いうちはハーブのような爽やかさが立ち、冷めてくるとコクのある甘さがゆっくりと表れます。最後には落ち着いたビター感が残り、静かで安定感のある余韻が続きます。